大安寺について

歴史を知る

馬頭観音立像国重要文化財 (奈良時代) 一木造 像高173.5cm

特別公開:3月1日~31日

文化財の指定では千手観音となっていますが、寺伝では馬頭観音として伝わり、嘶堂に安置される秘仏です。3月のみ公開されます。
後補部分が多い像ですが、当初の体部の状態からみて、この像もやはり堂々たる天平彫刻の風格が感じられます。
一般に馬頭観音様は、頭上に馬頭をいただく忿怒の形相ですが、この尊像にはその馬頭がありません。かわりに胸飾りの瓔珞(装身具)と足首に蛇が巻きつき、腰には獣皮をまとっている極めて珍しい姿です。儀軌以前の古像で、馬頭観音の原初の姿とも考えられます。
馬頭観音様は、馬が牧草を食むように、もろもろの悪を食い尽くし、たくさんの水を一気に呑み干すように私達の災厄を除くといい、厄除けの仏として信仰されます。馬頭明王様とか馬頭大士様ともいい、後には牛馬の守りとして無病息災を祈る対象にもなりました。
馬は馬力ともいうように力強さの代名詞でもありましたが、その力強い働きを示すかのように馬頭観音は厳しい忿怒の形相をとっておられます。
紀州徳川家に伝わったという、大安寺馬頭観音の秘仏神符のお守りは、厄除守りとしてあらたかといわれています。

お問い合せ